考えている時点で、
私はたぶん少し変わってると思う。
人はなぜ、裸に興奮するのか。
いや、本当に裸に興奮しているのだろうか。
私は少しだけ、違うと思う。
全部見えているものは、案外つまらない。
見えないものなら諦められる。
全部見えたものなら、いつか飽きる。
普段はきちんとしている人が、一瞬だけ見せる隙。
何でもない会話の途中で、
ほんの少しだけ長く合った目。
冗談なのか本気なのかわからない言葉。
いつもはふざけている人が、
仕事の電話だけ急に真面目になる瞬間。
そういう、本人すら意識していないもののほうが、
なぜか夜になっても頭に残る。
たぶんエロとは、身体ではない。
「この人には、自分の知らない顔がある」
そう気づいた瞬間に生まれるものなんだと思う。
人間は単純だから、
答えそのものより、答えの直前に夢中になる。
あと少し。
もう少し話したら。
もう少し近づいたら。
その先に何があるんだろう。
そしてたぶん、
恋もエロも、その点ではよく似ている。
「欲しい」より、「知りたい」
「触れたい」より先に、
「この人、いったい何者なんだろう」
がある。と思う。
私は、そういう色気を身に纏いたい。
だから全部は見せたくないし、
全部わかってもらおうとも思わない。
一度会ったくらいで、
「ああ、こういう子ね」と理解されたら少し悔しい。
二度会ったら、
一度目には気づかなかった私を見つけてほしい。
三度会ったら、
「あれ、またわからなくなった」
くらいがいい。
まだ会ったことのない人なら、
写真や文章から想像している私と、
実際の私が同じなのか確かめてみて。
たぶん、少し違う。
そして会ったことがある人なら、
知っている私が全部なのか、
もう一度確かめてみて。
たぶん、それも少し違う。
見えそうで見えないから、見たくなる。
わかりそうでわからないから、知りたくなる。
だから私は、あなたに全部を見せるつもりはない。
そのほうが、
別れたあとまで私のことを考えてしまうでしょう?
……なんて。
ここまで読んでくれたあなたは、すでに私のファンになっているか、暇を持て余してますね。
どちらにしても、明日の仕事中に椎名りんごを思い出すでしょう。
